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高森明勅
2018.11.7 13:38政治

靖国神社の新宮司

靖国神社から封書が届いた。
開けてみると、前宮司の退任と新宮司の就任の挨拶状。
「此(こ)の度(たび)、靖国神社宮司を退任致しました
「11月1日を以(も)ちまして宮司の重責を拝命致しました」
型通りの文言が並ぶ。

読んでいて何とも言えない悲哀を感じた。
祖国の危急存亡の日に、尊い一命を捧げられた英霊たち。
その英霊たちに深く御心を寄せられ、あらゆる困難を踏み越えて、
戦跡への「慰霊の旅」を重ねて来られた天皇陛下。
その陛下のご真意を、あろう事か、
靖国神社の宮司たる人物が全く理解出来ていなかった。

天皇陛下のお気持ちによる勅使のご参向を仰いだ
10月の例大祭では、宮司が謹慎の為に祭典への参列が許されないという、
異例の事態を招いた。

靖国神社の歴史上、恐らく前代未聞の不祥事ではないか。
今の日本の衰えを映し出すかのような、余りにも残念な情景だ。
但し新任の山口建史宮司は、同氏が神社本庁の教学部長をされていた頃から
存じ上げている。

靖国神社の権(ごん)宮司としても手腕を発揮されていた。
今の危機的な局面を立て直すには相応(ふさわ)しい人材だろう。

来年の同社ご創建150年という節目を、
良い形で迎えられる

よう期待したい。勿論、私も何かお役に立つ事があれば、
及ばずながらご助力は惜しまないつもりだ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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